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野田政権の外交

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「米議員、イラン原油18%削減を 輸入国の制裁回避へ基準 2012/01/20 10:57」47NEWS
http://www.47news.jp/CN/201201/CN2012012001001430.html
「日本や韓国、欧州諸国などイラン産原油輸入国を対象とした米国独自の制裁法をめぐり、法案起草の中心となったカーク上院議員(共和党)とメネンデス上院議員(民主党)は19日、ガイトナー財務長官に書簡を送り、制裁実施を回避する条件として、イラン産原油の輸入を価格ベース年間18%以上削減することを基準とするよう提案した。」

18%の根拠が不明だし、妥当なのか分からないけれど、アメリカが妥協し始めている感じがする。

しかし、価格ベースで年18%で良いなら、もっと有効な経済制裁手段がある。
原油価格相場を下落させれば良い(オイw

「世界経済のネタ帳」から、グラフを拝借してみる。
http://ecodb.net/
[世] 原油価格(WTI)の推移(年次:1980~2011年)

イランの原油輸出額は、当然に原油価格と連動している。

[世] イランの原油輸出額の推移(1980~2011年)

アメリカのお陰で、イランの原油輸出額が上昇したとも言える。
2003年:アメリカがイラクに侵攻
2007年:アメリカでサブプライムローン問題
2008年の終わりから一時的に下落したのは、リーマンショックによるものだけど、世界が不安定になればなるほど、結果的には資源に金が集まる。

日本は今まで、過去5年でイランからの輸入量を4割削減したのに、全くの焼け石に水だったわけだ。誰のせいとは言わないけど。
(つまり今回、「価格ベース」ということは、今後更に原油価格が高騰すると、輸入としては日本が何割削減しても追いつかない可能性がある。)

今回だって、結果としてイランの原油輸出額が上昇する可能性はある。輸出量が減っても、価格が上昇するのだから、産油国にはむしろ有り難いか(苦笑)

アメリカは、イランに利する投機マネーによる原油価格高騰こそ、規制すべきだ。
それなら、世界が歓迎するかもよ(笑)
(価格が年18%以上下落すれば、どの国も輸入量を減らす必要はないw)


ところで、一連のアメリカからの圧力に対して、昨年末からの野田政権の対応は、ちょっと面白いと感じている。

「イラン制裁、例外要請=玄葉外相「経済に打撃」-米に懸念伝達」(時事ドットコム:2011/12/20-10:23)
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201112/2011122000224
玄葉外相は、「クリントン米国務長官との会談で、対イラン制裁を強めるためイラン中央銀行と取引がある外国金融機関に制裁を科す法律が近く米国で成立することに関し、「イランからの原油輸入が停止すれば、日本経済、世界経済全体に打撃となる恐れがある」と懸念を伝え、日本の原油調達に悪影響が出ないよう邦銀への適用除外を要請した。」

イランは、日本がアメリカの政策に反発したことを喜んだ。
「日本、対イラン制裁について米に警告」
http://japanese.irib.ir/index.php?option=com_content&view=article&id=23706%3A2011-12-17-09-37-04&catid=17%3A2010-09-21-04-36-53&Itemid=116#.Tu8aTwDOeDM.facebook
「日本、イラン産原油の輸入を継続」
http://japanese.irib.ir/index.php?option=com_content&view=article&id=23814:2011-12-20-13-13-57&catid=17:2010-09-21-04-36-53&Itemid=116
「なぜ日本はイラン産原油への制裁を実施出来ないのか? 」
http://japanese.irib.ir/index.php?option=com_content&view=article&id=23919:2011-12-23-12-31-47&catid=17:2010-09-21-04-36-53&Itemid=116

しかも、日本だけじゃない。
「韓国、イランからの石油輸入増加」2012年 1月 04日(水曜日) 18:11
http://japanese.irib.ir/index.php?option=com_content&view=article&id=24258:2012-01-04-13-49-42&catid=17:2010-09-21-04-36-53&Itemid=116
「韓国の政府筋が、「わが国の精油所は、原油購買契約の延長により、今年は、2011年よりも日量1万バレル多い原油を、イランから輸入することになる」と表明しました。」

増やすのは流石にウソ~ンって感じだけど、韓国もアメリカに抵抗しているのは事実だ。
日本と韓国は、多少は足並みをそろえて抵抗しているのかもしれない。

以前は、アメリカがノーと言えばアザデガン油田の権益放棄して終わりだったのだから、ちょっと感慨深い。
http://maruko.to/2009/08/post-61.html


そして、時期を同じくして、ロシアとの関係が急速に親密になってる。
http://japanese.ruvr.ru/2011/12/02/61374173.html
http://japanese.ruvr.ru/2011/12/06/61644216.html
http://japanese.ruvr.ru/2011/12/15/62301545.html

鈴木宗男が仮釈放で出てきたのは、ただの偶然か?w

この流れの中で、「プーチン首相 日本との間で大規模鉄道プロジェクトを検討中」
http://japanese.ruvr.ru/2011/12/15/62302901.html
こんな話も出てきた。ロシア、前のめり過ぎww

更に、対中貿易で、米ドルを経由しない、元と円の直接決済の話も年末に出た。
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2012&d=0104&f=column_0104_002.shtml

アメリカの顔色うかがってたら、こんなの中国から提案されたって、すんなり前向きに検討なんて難しい。まあ、本気かどうか関係なくて、アメリカ外しの動きを見せることが面白い。(ちなみに、イランとの原油取引は、2007年にイランからの要請で米ドルから円建て決済に各社移行しており、イランは円高の恩恵も受けている。)

で、今年に入っても、ロシアは積極的。
「マトヴィエンコ議長の日本訪問 議連発展に向けて 12.01.2012, 13:31」
http://japanese.ruvr.ru/2012/01/12/63714248.html

そこで、ラブロフ外相の来日を目前に、あえてとった玄葉外相の行動がこれ。

玄葉外相 北方領土を洋上視察(01/14 15:25)北海道新聞
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/politics/343415.html
「玄葉光一郎外相は14日午前、根室管内羅臼町の羅臼港から海上保安庁の巡視船「かりば」に乗り、北方領土の国後島などを洋上視察した。」

急接近しつつ、簡単に妥協しない姿勢を示し、ロシアにも揺さぶりをかけているわけだ。
その結果か知らんけど

http://japanese.ruvr.ru/2012/01/18/64119657.html
ロシアは日本のパートナーとなることを望んでおり、地域問題や軍事政治問題などの国際問題に共通のアプローチをとっていくことを期待している。」

こんなのが「ロシアの声」で読めるとは面白いw
是非、イラン問題では行動を共にしたいですな。


アメリカも流石に、日本が抵抗していることが分かってるので、ガイトナー財務長官を送り込んできた。
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-LXNY3K0YHQ0X01.html
「安住淳財務相とガイトナー米財務長官は12日午前、財務省内で会談し、日本の原油輸入の10%を占めるイラン産原油についてシェアを削減することで一致した。日本側が米側の要請を踏まえ、計画的削減に応じる考えを表明した。」

これを聞いたとき、ありゃりゃと思ったのだけど、官房長官が即効で否定(笑)

「イラン原油対応 引き続き検討 1月12日 20時47分」
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120112/t10015228101000.html(魚拓にリンク)
「藤村官房長官は記者会見で、核開発を進めるイランに対し原油などの輸出入を事実上できなくするアメリカの制裁措置に関連して、安住財務大臣が表明した日本への原油輸入量を段階的に減らしていく方針は意見の1つであり、引き続き政府内で対応を検討していく考えを示しました。」

更に加えて首相も否定(爆笑)

「イラン制裁:野田首相「原油輸入減は財務相の個人的表明」 2012年1月13日 20時7分 更新:1月14日 1時6分」
http://mainichi.jp/select/today/news/20120114k0000m010050000c.html
「野田佳彦首相は13日の記者会見で、核開発を続けるイランへの制裁を巡り、安住淳財務相が12日のガイトナー米財務長官との会談で「(原油輸入量を)早い段階で計画的に減らす」と表明したことについて「これまでの経緯と見通しを個人的に話されたと思う」と述べた。」

そもそも、ガイトナーが来るのに枝野経産相が不在で、安住財務相に代役で対応させるとか、そんな扱いをアメリカ様にするなんて、のっけから面白い。
「安住氏「イラン原油輸入を削減」 日米財務相会談 2012/1/12 10:57 (2012/1/12 13:57更新) 」
http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C93819481E3E0E2E2958DE3E0E2E3E0E2E3E09F9FE2E2E2E2
「今回のガイトナー長官の訪日にあたっては、枝野幸男経済産業相らが不在であるため、経済閣僚を代表して安住財務相が会談に臨んだ。会談内容を共同声明として文章化することは見送った。」

日本の国益を考えるなら、これを閣内不一致とか攻撃してはいけない。
 代役対応 -> 共同声明の文書化を見送り -> 直後に訂正
仮に政権が素人だからだろうとKYだからだろうと、この場合、究極の先延ばし外交は結果オーライだ。

なかなか世界が積極的に賛同しないので、イスラエルは、業を煮やしている。
「イスラエル首相 一層の制裁強化を 1月17日 9時36分」
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120117/k10015320401000.html(魚拓にリンク)
「核開発を進めるイランに対して欧米諸国が制裁を強めようとするなかで、イランと敵対するイスラエルのネタニヤフ首相は、今の制裁措置でも十分ではないとして一層の強化を国際社会に求めました。」


で、本当に驚いたのがこれ。

「イラン制裁の日米実務者協議、邦銀の制裁回避条件は結論持ち越し 2012年 01月 19日 18:04 JST」
http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPTYE80I04P20120119
「グレーザー次官補は協議終了後、記者団に対し「今後も協議は継続する」と答えたのみで、協議内容についてのコメントを控えた。邦銀への制裁を回避するために必要な原油輸入の削減幅などの詳細については、来週以降に引き続き協議する見通し。」
「外務省によると18日と19日の2日にわたりのべ4時間弱協議。日本側は原発稼働停止で火力発電への依存度が高まっており原油調達を簡単に削減しにくい日本の状況や、イラン産原油の輸入量を過去5年間で4割削減した実績などを説明。イラン中央銀行と取引を持つ金融機関に対して米金融機関とのドル取引を禁じる米国のイラン制裁法で、邦銀に対して例外規定を適用するよう要請した。」

「親日国・イラン制裁で官民異論百出、日米協議は結論持ち越しへ 2012年 01月 19日 21:20 JST」
http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPTJE80I00020120119
「18、19日の2日間にわたり都内で開かれていたイラン制裁をめぐる日米政府の実務者協議は、焦点となっていた日本の原油輸入削減幅や邦銀制裁の回避の是非について具体的な結論を出さず持ち越した形となった。」
「イラン制裁については中国、ロシアのみならずトルコも反発を表明。米制裁法の発動でイランが対抗措置としてホルムズ海峡を封鎖すれば、原油価格が急騰しかねず、米国が強硬措置を取りにくい可能性もあるなかで、日本として微妙なかじ取りを迫られそうだ。」


圧力に屈せず結論を出さなかったのは、正直吃驚。
中国が制裁に反対している以上、日本がイランから原油輸入を大幅に減らせば、その分を中国が安値で買い叩けるようになるだけで、アザデガン油田の屈辱を繰り返すことになる。どう考えても、結論先延ばしが正解なんで、本当にこの粘り腰は評価されるべきだ。

そして、この流れで、冒頭のアメリカの18%という数字が出てくる。
野田政権は、内政は最悪な感じがするが、外交はなかなか興味深い。

そういや、こんな話もあったしね。
「資源輸入:国を特定、集中交渉する新戦略...政府指針案 2012年1月5日 15時0分」
http://mainichi.jp/select/today/news/20120105k0000e020164000c.html
「政府が今後5年間の資源、エネルギーの安定調達の指針として4月に初めてまとめる「資源獲得戦略」の原案が明らかになった。産業ごとに必要な資源の種類や量を精査した上で、集中的に働きかける国を特定。首脳や閣僚の交流と、民間の技術協力との連動で、権益確保を図る。自動車など資源を使う側の民間企業が、積極的に権益確保に関与する必要性も明記した。ただ、戦略実現には世界の資源争奪戦を勝ち抜く交渉力が必要で、日本外交の実力が問われることになる。」

単なる偶然ではなさそうだ。
(でも、支持するかどうかはまた別の話だけど(自爆))

■蛇足
ところが、産経が書くとこうなる。
「イラン制裁、戦略なき日本 外務省、対話重視で米と溝」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120119-00000085-san-pol
「米側は対日不信をさらに深めたに違いない。」
「日本側から色よい返事は得られなかったとみられ、グレーザー氏は記者団に「日本が適切な措置を取ると確信している」と不満そうな表情を浮かべた。」
「これで米側が納得するはずもない。」
「米国はイラン制裁の足並みがそろわないことにいら立ちを募らせる。」

アメリカ様の顔色うかがい過ぎwww
どこの国の国益を考えると、こういう記事が書けるのかね?

ブータン的幸福

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国王帰った今更だけど、一応書いておく。

GNHってのは、確かに良いと思うよ。

だけど、民族の伝統を重んじているとか、日本人に似てるとか、統治が優れているとか、ブータンをヨイショばっかする風潮には、疑問を感じる。そりゃ、発展に貢献した日本人がいて、感謝されてるとか、耳障りの良い美談だろうけどね。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/pr/wakaru/topics/vol79/index.html
米中露と外交関係がない国連加盟国で、日本の常任理事国入りを支持してくれる国なんて、超貴重なのも分かる。

でも、そんなに素晴らしい国なら、なんで国民の1/5もが、難民として流出したのかね?
http://www.ne.jp/asahi/jun/icons/bhutan/
あんな多民族混在地域で、どうやって特定の民族の伝統を重んじる国を実現したのか、その手段も知るべきだ。GNHの判断要素には、文化の多様性も含まれるのだから、どうして文化の押し付けで大量の国民を難民化させてしまったのか、矛盾を感じるのが自然だ。

経緯を知った上で、97%が幸せと答えたという国勢調査の結果を見ると、怖くもある。


え?酷かったのは、過去のことだって?

どうかね(苦笑)
http://www.unhcr.or.jp/html/2011/08/ws110817.html
http://www.japanforunhcr.org/jessica/nanmin/
もしもそんなに褒めたいなら、まず先に、まだ何万人もネパールにいるブータン難民のために、日本も第三国定住先として名乗り出て、ブータンの尻拭いを世界各国と共に手伝ってあげたらどうだ?
ついでに、難民に、幸せか聞いてみたら良い。


もちろん、以前と比べれば、劇的に状況が改善しているし、今の国王はカッコイイよね。東日本大震災にも、義捐金を100万ドルくれたし、本当に有り難い。でも、今の国王が素晴らしいからと、現状だけ強調して賞賛するなんて、不合理にも程がある。

非難されるべきブータンの姿も知り、それでもGNHという思想自体は素晴らしいというなら理解できる。そうすれば、GNHを高めるために、何故か多様性を排除してしまうような矛盾した手法は、当然に否定されるだろう。

だから、ネガティブ情報は、ほんの少し触れるだけでも良い。でも、いくらなんでも、ネガティブ情報が皆無ってのはキモイ。(まあ自分には、今もブータン難民が何万人もネパールにいることを思えば、現状を美化すること自体理解が難しいけどね。)

親日的に思える国なら、何でも美化するという日本の風潮は、トルコへの対応と同じかもしれない(苦笑)


で、更に理解できないのは、ブータンを無批判に賞賛するTVなんかの情報を鵜呑みした上、小国で中国の侵略を受けたとか、一方的に同情のネタにする輩だ。国王が来日したのは、日本が核武装して中国を抑えてくれることを望んでいるからだとかいう寝言も、ネットにはある。

世の中の全ての事象を、中国や民主党政権への批判ネタに直結できる、ある種の妄想壁を持つ人々がいるのは分かるが、ブータンもそのネタに取り込まれてしまっている。そういうことができる人は、さぞかし頭の中で幸せなのかもしれないが、そんなGNHはお断りします。


ところで、97%が幸福と答えたという数字自体、実は単純ではない。
先代の国王は、人は知れば知るほど不幸に感じるとか言っていたそうで、つまり、情報を与えないことが幸せに資する、大海を知らない井の中の蛙は幸せ、という側面がある。
それが読み取れるのが、以下の調査だ。
http://www.sri.or.jp/sri_database/backnumber_kiji/documents/99/99report2_2.pdf
--
ブータンの集計結果を都市部と農村部に分類してみると、満足度の傾向に大きな違いが見られた。純粋に「満足している」と回答した人の割合を見てみると農村部では94.3%であったのに対し、都市部では44.1%と低くなっている
--

1999年にTVとインターネットを解禁し、都市部で情報に接することができるようになったブータン人の満足度は、所詮こんなもんなわけだ。(もちろん、「まあ満足している」まで含めたら都市部だって凄いけど、それなら日本だって...というか、「満足」と「幸福」はそもそも別なので、日本人の多くも、かなり幸せな気がする。)


そもそも、SFネタじゃあるまいし、完璧なユートビアなんて存在しない。
これ、常識だよね?

誰もが幸せだと思っている社会なんて、むしろ非人間的であって、実はその意味の方がユートピア本来の意味に近いかもしれない。異なる文化を排除することで成立した今のブータンは、その本来の意味でのユートピアかもしれないと言ったら、ブラック過ぎかな。

■蛇足
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20111128-OYT1T00999.htm
--
政府は28日、ブータンに2億円の無償資金協力を行うことを決め、ブータン政府と交換公文を締結した。
--

こういうあからさまな事は、止めたほうが良い。昭和天皇が崩御した時、大喪の礼に参列した先代のブータン国王は、弔問外交はしなかったというのが美談なんでしょ。普通に、JICA経由の支援を強化すりゃーいいじゃないか。

え?今回はハネムーンだからご祝儀か(笑)


●参考
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/bhutan/kankei.html
--
ブータンにおける外交上の主要な懸案事項は,ネパール系ブータン難民問題である。1980年代,ブータン政府は,ゾンカ語の普及やブータン式の服 (「ゴ」,「キラ」とよばれる)の公式の場での着用義務付け等国家のアイデンティティー強化のための施策を進めた。これに反発して,1990年秋,南部 ブータンにおいて一部ネパール系住民による反政府デモが展開され,反政府活動グループと警官隊との衝突で死傷者が出る事件も発生した。1991年に入り事 態は一応沈静化したものの,ネパール系ブータン難民がネパール国内に流入した。2007年11月より第三国定住プロセスが開始され,2011年8月まで に,約5万人の移住が完了した(内訳:米約4万2千人,カナダ約2400人,豪約2千人等)。難民の第三国定住プログラムとしては世界最大規模となってい る。キャンプ内には,約6万2千人の難民が残っており,このうち約4万7千人が第三国定住を希望している。2011年4月にティンレイ首相がネパールを訪 問し,2003年から中断していた両国政府による難民帰還に関する協議再開に合意した。
--
 ブータンは国防政策の柱として,国境保全,空港警備,治安維持以外にインドとの防衛協力関係維持を掲げており,ブータンの全国防予算をインドが負担してい る他,インドから資金・装備・訓練の支援を受ける等インドとは特殊な関係にある。また,ブータンには1個大隊規模(約700名)のインド陸軍将兵が常駐し ており,主要なインド陸軍部隊として,インド軍事訓練チーム(IMTRAT)がティンプーに,軍事訓練学校と陸軍病院がハに所在している。また,パロにも インド軍駐屯地が存在し,夏季にはインド本国から派遣された部隊が山岳地訓練を行っている。将校の教育は全てインドで行われており,下士官・兵の教育 も,IMTRATが管理運営するブータン内の軍学校で行われている。この他,部隊訓練もIMTRATの指導を受けている。さらに,ブータン軍は,年に 3~4回,インド陸軍部隊と共同訓練を行っている。
 山岳地形のブータンは意図的に部隊を中隊毎に分屯させており,そのほとんどは,ブータン・中国国境沿い及び重要防護施設の哨所に配置されている。各哨所には,インド陸軍兵士も5~6名ずつ配置されており,ブータン軍を指導している。
--

トルコ地震に対する各国からの救援隊を、トルコ政府が断っている。
この件に対し、ネット上にはいい加減な言説が出回っている。

トルコが親日国家だから支援しろとか、東日本大震災後の支援への恩返しもすべきとの思いが強い人やらが、日本の支援が断られたことを曲解している書き込みも目にする。

そこで、少しおさらいしよう。

まず今、現在進行形で、トルコ軍は震源地から百キロチョイのところで、絶賛戦闘中である。相手は、クルディスタン労働者党(PKK)だ。

震源から百キロくらいのところに、Hakkari県てのがあって、その先はイラク国境で、震源からイラク国境までは130キロくらいな位置。

つい先週、こういうニュースが流れた。
http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPJAPAN-23724920111020
「イラクとの国境に接するトルコ南東部ハッカリ県で、トルコからの独立を目指すクルド人労働者党(PKK)による攻撃が相次ぎ、19日までにトルコ軍兵士24人が死亡した。」

で、直後からトルコ軍は、Hakkari県の山岳地帯とか、隣のイラク領内にまで越境攻撃して、PKKを100人オーダーで殺している最中。
http://www.todayszaman.com/news-260772-turkey-kills-almost-100-terrorists-in-offensives-led-by-top-commanders.html
http://www.todayszaman.com/news-260874-turkey-moves-into-iraq-near-pkk-camp.html

イラク北部への越境攻撃なんて国際法違反して、イラクともめないのか?と思う人もいるだろうが、これは別に今回が初めてではない。
http://www.global-news.net/ency/naito/daily/071226/01.html
http://www.afpbb.com/article/war-unrest/2354542/2666257
PKKは、アメリカ様がテロ組織と認めているし、クルド人だし、イラク政府も了承済みという...

イラク北部のクルドがよく分からない人でも、フセイン時代に散々な迫害に遭った人々だと言えば、思い出すのではないか?

そうそう、化学兵器で殺されまくった人たち。

実は、クルド人が最も多く住んでいるのがトルコであり、トルコも建国の時から、クルド人の迫害という問題を長らく抱えてきた。EUに加盟しようとしたら、クルド人迫害を先に止めろと言われ、やっと徐々に状況が好転してきたとはいえ、そういう時代背景を忘れてPKKを単純にテロ組織と思ってはいけない。まあ今では、国際的にも立派なテロ組織認定されてるので、殺しても大丈夫ってことにされてるけど、ハリウッド映画じゃないので、勧善懲悪なお話なんて存在しない。(別に、PKKを擁護しているわけではないので、誤解しないように。)

これは、日本人にとっても他人事じゃなくて、トルコがこの辺で戦闘すると、日本にやってくるクルド人難民も増える可能性が高まる。でも、日本政府はトルコを親日国家と位置付けているので、トルコが人権侵害していないという建て前から、クルド人を難民とは認めないという差別的な対応を続けていることも、周知の事実。過去にもブログで取り上げた。
http://maruko.to/2009/03/post-10.html

まあ、そんなことやってる最中に、今回の地震が起こったわけだ。
あんな、クルド人の多い地域で...

http://www.47news.jp/CN/201110/CN2011102501000896.html
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/mideast/532930/
ということで各メディアでは、各国の救援隊を断るトルコ政府の不可解な対応について、クルド人差別とか、もしくは逆に、クルド人に政府に助けられたと良い印象を与えようとしているとか、諸説出ている。何故か、隣の県で絶賛戦闘中なことを理由に上げる記事は、自分は目にしていない。戦闘終了して撤退したという確実なニュースもない。
-->追記
http://www.reuters.com/article/2011/10/25/us-turkey-iraq-pkk-idUSTRE79O2WZ20111025
まだまだ越境攻撃エスカレート中ですね。
<--

そんな状況なので、震源のヴァン県は戦地ではないとはいえ、
http://www.hidakashimpo.co.jp/news/2011/10/post-747.html
こんな思い入れで、簡単に他国の公的な医療チームが受け入れられるか疑問。

http://amda.or.jp/articlelist/index.php?page=article&storyid=191
AMDAのように、現地のNGOと連携できる実績のあるNGOでなければ、現地入りは難しいのではないだろうか。
http://www.aarjapan.gr.jp/about/news/2011/1024_790.html
難民を助ける会というのも、名乗り出ている。
http://www.jrc.or.jp/foreignrescue/l3/Vcms3_00002578.html
日本赤十字は、トルコ赤新月社の活動を書いてるだけで、今度の対応は不明。

では、現地入りは難しくてもトルコを支援したい人は、やはり金銭的支援がメインということになろう。が、ここで疑問なのが、トルコ大使館を通じての義援金送付だ。果たしてトルコ政府は、クルド人被災者らに義援金を公平に分配してくれるのだろうか?

正直、トルコ政府には本当に申し訳ないのだけど、差別がないのか、個人的には不安が残る。なんせ、今の政府対応だって差別なのではないかと、報道されている最中なわけだ。

いや、ダメだと言っているわけではない。今回の地震で、差別してるという証拠があるわけでもないしね。きっと、ちゃんとやってくれるとは思いたい。信じる人は、以下へ。
http://tokyo.be.mfa.gov.tr/ShowAnnouncement.aspx?ID=134011


しかし、信じる信じないは別にしても、日本人は東日本大震災で学んだはずだ。義援金の分配は、なかなか難しく、時間のかかる話だと。トルコ政府の対応を信用するにしても、今にも凍え死にそうな被災者には、政府経由の義援金など先の先の話でしかない。

ならば、現地入りするNGOに直接寄付する方が、遥かに効果的ではないか?

少なくとも、
http://www.youtube.com/watch?v=LscQ1QAS3hQ
この動画の説明にあるような美談で支援するのではなく、もう少し具体的に、被災しているクルド人に届く支援を考えた方が良いと、個人的には思う。

エルトゥールル号とか邦人救出とか、そりゃいい話だけど、それがなかったら支援しないわけじゃないでしょ?

もちろん、大使館経由で義援金を渡せば、トルコ"政府"とは親密度アップできるだろうけどね...


ところで、これは余り知られていないだろうが、トルコ政府から迫害を受けたと主張して、日本で難民申請しているクルド人らも、東日本大震災の後、ボランティアとして東北で支援活動をしてくれていた。彼等と一緒に、瓦礫撤去した自分が言うのだから、嘘ではない。

日本人ボランティアが諦めるような、巨大な瓦礫や丸太も、「オスマン帝国ではこうやって運んだんだよ」と、見事に運び出してくれる頼もしい人々だった。彼等が持参した手作りのお菓子は、「こんな外国のお菓子食べたことないわぁ(笑)」と、被災者の方にも大好評だった。

彼等難民申請中のクルド人は、日本政府が、いずれ自らの難民申請を却下するであろうことは、うすうす気付いていた。でも、東北の状況を見て、手を貸してくれた。恐らく、彼等のような日本にいるクルド人は、今回の地震のニュースに祈る思いで接していることだろう。

日本人が、トルコへの支援を通じて、もう少し日本にいるクルド人の問題を知る機会になると良いのだけど。

-->追記10/27
http://mainichi.jp/select/today/news/20111027k0000e030011000c.html
AMDAの活躍が伝えられてますね。

相変わらず、他国の救援隊は入ってないですが、今のところ各メディアは、もうそこには触れない形で、物資と一部のNGOが入ったことをもって、「トルコが世界からの支援を受け入れた」という部分を強調する報道で、丸くおさめるようですね。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20111027/k10013536051000.html

ロシア系のメディアなどは、人か物かにも触れずに、世界に支援要請したという風にぼかして書いてますね。日付とか間違ってるイイカゲンな記事ですが、分かりやすい対応ですね(苦笑)
http://japanese.ruvr.ru/2011/10/26/59358108.html

トルコは、よっぽど人を入れたくないのでしょうが、国としては内政干渉するわけにもいきませんから、一応これで物資だけでも「支援した」という形式を満たし各国は満足し、外交的にトルコ政府の面子は保たれたのでしょう。
http://mainichi.jp/select/world/europe/news/20111027k0000m030065000c.html
助けを待つ現場からすれば、たまらない話でしょうが。
<--
-->追記10/31
難民を助ける会の現地での活動報告が出ました。
http://www.aarjapan.gr.jp/activity/report/2011/1031_795.html
<--
-->追記11/12
「トルコ:宮崎淳さんの訃報」
http://www.aarjapan.gr.jp/activity/report/2011/1110_812.html
「11月10日のトルコ地震での当会職員の状況に関するお知らせ(11日21時半現在)」
http://www.aarjapan.gr.jp/about/news/2011/1111_814.html
http://aarjapan.blogspot.com/2011/11/turkey-passing-of-mr-atsushi-miyazaki.html
「トルコ語でのお悔やみのツイート」
http://togetter.com/li/212501

http://www.smh.com.au/world/miyuki-daughter-of-disaster-survives-another-horror-20111111-1nb37.html
最後のところ
>Angry about a shortage of aid, more than 200 people rioted amid the debris. Police fired tear gas at protesters.
>"Police and residents are fighting now. They feel desperate, angry and abandoned," said a witness, Neman Kara, 35.
援助不足に抗議する被災者と、警察が催涙ガス使って戦ってる被災地...やりきれない。

まだまだ、非政府組織だからこそ可能な支援があるのだろう。
http://www.aarjapan.gr.jp/activity/report/2011/1109_805.html
昨日予定されていた活動報告会は、中止になったそうだけど、今後トルコでの活動はどうするのだろう?
<--

■蛇足
本文と関係ありませんが、またしばらくブログの更新が滞る予定です。お勉強に時間を...

リーダー不在

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相変わらずカイロは凄いね。アルジャジーラの、ちょっと扇動的とも言えるライブ放送に流されないように注意しつつ眺めていても、一連の騒動が、極めて平和的に進行している新しいタイプの革命であることに気が付く。(もちろん、既に100人以上亡くなっているけれど。)

http://salamuna.exblog.jp/15855798/
こういう現地にいた人のブログというのは、大変興味深い。
>*携帯電話ネットワークをまる一日止めたこと
>*インターネットを現在まで四日間以上止めていること
>*四日間続いている夜間外出禁止令
これが、今回のデモ拡大の要因というのは、思わず頷いてしまう。

既に発達したネットワークが存在していたのに、突然禁止されたものだから、逆に国民に、事態の重大性を気付かせてしまったのではないか。
http://asert.arbornetworks.com/2011/01/egypt-loses-the-internet/
いくらなんでも極端過ぎた(苦笑)


それにしても、エジプト女性は勇ましいね。
http://ow.ly/i/7JT4

飛び火したヨルダン女性も、勇ましい。
http://english.aljazeera.net/news/middleeast/2011/02/20112113957115258.html

どこまで行くのか分からんけど、中東における女性の地位が、ちょっと変わったりする切っ掛けになったりして。

でも、チュニジアにしてもエジプトにしても、多分ヨルダンも、既存の政治体制に対する不満はあっても、その先が見えない。反体制のリーダーが不在なのが、共通する特徴だろう。長期独裁政権を倒しても、新政権が結果を出せなければ、日本のように、「前の方が良かった」とか言い出すことは、容易に想像できる。特に、民主主義が未成熟な国では。

しかし、反体制のリーダーが不在だからこそ、既存政権側も、効果的に叩く相手を見つけられない。これが、市民に有利に事が進んでいる最大の理由ではないだろうか。誰かに扇動されずに、宗教や政治的野心なしに、本当に自発的に市民が立ち上がっている。まるでだ。

もちろん、軍隊が国民を攻撃しないというのも、特筆すべきポイントだが、それも、自発的に市民が立ち上がっていることと、無関係ではないのではないか。祭の警備員に徹している?

今までムバラクは、ムスリム同胞団(エジプト最大野党)を攻撃してきたけれど、今回のデモは、ムスリム同胞団が指揮してるわけではない。エジプトの市民が、アメリカのメディアのインタビューに対し、自分たちはイランのようにはならないと訴えていた(だからアメリカも、自分たちを危険視しないでくれと)のも印象的。帰国したエルバラダイも、国内で政治力があるわけじゃないらしい。

それを心配してるのが、トルコだ。
イスラム原理主義勢力の付け入る隙を与えないように、ムバラクはとっとと決着つけろと。

http://www.nikkei.com/news/latest/article/g=96958A9C889DE0E0E4E4EAE4E2E2E2E3E2E0E0E2E3E3E2E2E2E2E2E2


そろそろ日本も、ムバラク後を見越して、積極的に発言すべきではないだろうか。
何しろ今、一連の動向に対し、自国への影響を恐れる中国は、超腰が引けているように見える。もちろん、中国は軍隊が国民に味方することなんてないので、同様のことが直ぐに起こったりはしないのだけど、とにかく、我が国が中東でプレゼンスを向上させるチャンスだ(苦笑)

え?我が国もリーダー不在だから、将来の国益を見越した行動なんて、無理?
外務大臣は、アメリカの顔色をうかがうのに必死で、中東なんて見えない?
まあ、「前の方が良かった」とは全然思わないけど、もう少しなんとかして(ry

せめてTVも、韓流ドラマばっか放送してないで、アルジャジーラのライブを中継でもすりゃいいのに。
http://english.aljazeera.net/watch_now/

相撲協会も、どうでもいいよ。
今、相撲協会の記者会見を、NHKも、テレ東除いた全民放も、横並びで生中継してるのだけど、バカなの?


>追記1
突然、ムバラク支持派というのが現れて、今、タハリール広場は修羅場と化している。
非常に残念だ。アルジャジーラのライブから、目が離せない。

しかし、ムバラク支持派とは、ムバラクの放った刺客とも、傭兵とも言われている。いわゆる工作員だ。銃やナイフで武装しており、アルジャジーラも欧米メディアも、記者が襲撃を受けて逃げている。

エジプト人には、もちろん純粋にムバラク支持の人も存在するだろうが、少なくとも今言えるのは、支持派は暴力で反ムバラク派を潰そうという意図が明確であり、とても民主主義的観点から、擁護に値しないということ。

http://ameblo.jp/fifi2121/entry-10787594709.html

これを読んで、尚更、流血の事態が作り出されてしまったことを、残念に思う。

>追記2
今夜は、アルジャジーラをニコ生で中継する人や、Ustで同時通訳する人など、リアルタイムで進行中の殺戮劇を伝えようと、個人が頑張っている。対してTVは、何やってんの?

BBCの真似しろとは言わないけどさ。
http://www.bbc.co.uk/news/world-middle-east-12307698

高齢化の進んだムスリム同胞団は、ネットとか使えているのか知らんけど、主導権も何も握ってないくせに、KYなこと言って足を引っ張るなって感じ。
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2011020200547

>追記3
http://www.asahi.com/international/update/0204/TKY201102040404.html
-->
前原氏は「欧米はムバラク大統領の即時の退陣を求めているが、もっと現実的に物事を考えるべきだ。新たな元首を選ぶにも、国民が納得する選挙のあり方も検証されないといけない」と述べ、公正な選挙制度の整備といった政権移行準備が整わないままムバラク大統領が即時辞任すれば混乱が拡大しかねないとの見方を示した。
<--

我らが外務大臣は、独裁者と同じ主張をすることに、何の躊躇もないらしい(苦笑)
それ、丸々、ムバラクが言っていることと同じではないか。
そんなことなら、口を開かない方が良かった。国益を損ねる。

恐らく、現地の状況が把握できておらず、把握できている欧米の言う現実的な主張が、非現実的に見えてしまっているのだろう。即時退陣を求めている欧米は、最早、その段階になってしまったことを、把握しているだけだ。前原氏のような、悠長なことを言っている段階ではないと。

本当に、中東が見えていないらしい。

現実的というのは、こういうことだろう。
「ムバラクが辞任する前にすべきこと」
http://www.twitlonger.com/show/8krdi2


大使のブログ

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「筆を擱く」
http://blog.goo.ne.jp/zoge1/e/635242cf53180a6d1f1a90f5800fcb91

大統領選挙後の混乱の続くコートジボワールの緊迫した状況を、日々大使自ら伝えてきた貴重なブログが、更新を停止した。

コートジボワール大統領選は、選挙管理員会の発表では過半数以上の支持を得た新大統領ウワタラが誕生したはずだったが、これを認めない現職のバグボ大統領の影響下にある憲法院が、ウワタラの得票の一部を無効にして、バグボが当選したと発表したことが、この混乱の始まりだ。

これに対し、国連や欧米だけでなく、アフリカ諸国も一致して、バグボを非難しているが、国内メディアを押さえて情報統制をしているバグボは、国連を内政干渉と強気で非難し、自らの正当性を国民に信じ込ませようとしている。

民主主義の根幹に関わる大問題であり、海外メディアの注目度は低くない。

そんな中、この岡村大使のブログは、どのメディアも伝えられない、日本語の貴重な情報源だった。なんせ、各国の大使や、国連コートジボワール活動(UNOCI)のチョイ特別代表と交わした会話を通じて、国際社会がコートジボワールにどう関わろうとしているか、日々リアルに語られていたからだ。

例えば、国民に悪影響を与えず、バグボにだけ圧力をかけるにはどうするか。
http://blog.goo.ne.jp/zoge1/e/b99df09f93381ba5b8b296f77021c2bb

海外メディアでも、バグボ一派に各国がビザ発給停止したことに対し、そんなところに行かなければ良いから意味がない、というバグボ側の反論が流されている。しかし、上記を見れば、そんな単純な話ではないことが分かるし、岡村大使がフランス大使にしたアドバイスなど、大変面白い。

こういう情報発信の仕方は、画期的だった。
隠れてやっているわけでなく、外務省としても大使のブログの存在は認められていたことが、下記にリンクが示されていることからも分かる。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/annai/cote_d.html

一連の混乱以前の内容にしても、一般人には知りえない大使の仕事、日本のコートジボワールへの関わり方がリアルに分かる、本当に価値のあるブログだったので、とても残念だ。

こういう時こそ、ブログを続けることに価値があると思うが、価値があるからこそ、継続に何かしらの圧力でもあったのかと、疑ってしまう。注目が集まると、自由がきかなくなるものだが、国民が日本の外交をリアルに知る貴重なニュースソースを失ったことは、残念としか言いようがない。

http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/22/12/1220_06.html
今はお忙しいでしょうが、またいつか、ブログを再開してください。


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